2022年5月8日

GW5日目夜 - フレンチレストラン


 







ホテル滞在2日目の夜、フレンチレストランへ。これもホテル趣味のネクストステップの1つだ。

フランス料理は「ザ・緊張する場所」ランキングの上位に入るだろう。原因はドレスコードとテーブルマナーだ。この2つは日本で日常生活を送るには必要のないことだから、自然に身に付けることが難しい。避けられるならなるべく避けたいという人も多いが、僕は人生修行のために喜んで飛び込んでいく。

ドレスコード。もともとどこへ行っても自信が持てるようにと服を着はじめた僕には、むしろドレスアップをする喜びを味わえる格好の場所だ。昨今はどこもカジュアル化が進んで、ホテルやレストランでも普段着で入ってしまうことがなし崩し的に許されてきた。そんな中にびしっと決めるのもまた違和感があるので、場にも馴染みつつドレス感を高めるのがファッションヲタクの腕の見せ所である。ブレザー、タッターソールのシャツにニットタイ、チノパン、Uチップにも見えるデッキシューズで臨んだ。特にネクタイをしていることが振る舞いに自信を持たせてくれたように思う。

テーブルマナー。「ナイフとフォークは端から使う」ということだけ知っていればなんてことはない。出てくる皿の分だけこれらが置かれているだけのことなのだ。足りなくなることも余ることもない。使い方は普段からファミレスで箸に逃げずに使っていたら身に付いていた。

食事でのもう1つのハードルはワイン選びだ。これはおすすめをソムリエに聞くだけで良かった。自分で料理に合ったワインを選べる人なんてなかなかいないものだと思う。2杯目も同じものにした。無難だし1杯でそのワインを味わいきれもしないから。

こんなことを場面ごとに考えながらも、実際は食事に喜び、ワインを味わい、妻と笑い合った。そこにはフレンチだからと気負うことなく楽しめている僕がいた。

この頃はだいたいそうなのだが、半世紀近く生きてきたのだから、冷静でいれば堅実な選択ができるものだ。良いタイミングでこの場所に居れたのだなと思った。