2022年3月26日

読書の効用














今年(2022年)は本を100冊読んでみようと決めて毎日欠かさず読んでいる。1つのことを継続すると何か目に見えて変化が現れるのだろうか?と試したくなったのだ。すでに現在の時点(3/26)で36冊となかなか良いペースで読めている。ちなみにここ3年の読了数はというと、

  • 2019年 - 18冊
  • 2020年 - 19冊
  • 2021年 - 32冊

本を積極的に読もうと思い始めた2021年こそ大きく増加が見られるが、月に1-2冊というペースである。何かの調査によると日本人の平均は月に0-1冊らしいのでそれよりはマシという程度だった。それが今年は月10冊は読んでいて読書が好きだと言えるぐらいにはなった。でも世の中には1000冊なんていう化物もいて(そういう人は速読の技術を習得していたり、オーディオブックを活用しているようだ。)、自分はまだまだ可愛いレベルらしい。まあそれでも普通の人は「月に10冊読んでいます。」なんて聞くとちょっと引くと思う。もう今どき本なんて読まれないのだ。動画配信、ゲーム、マンガ、アニメと面白いコンテンツは山ほどある。 みんなSNSにも忙しいしね。

じゃあ、本をたくさん読む人はなぜ読むのか?1000冊レベルの人たちは知識を広げ深めるために読んでいるという。仕事や生活に役立てるため、自分を成長させるためのようだ。「知識をインストールする」という表現を何かで読んだ記憶があるが、次から次へと読んでいくということがまさにそうなのだろう。自分の場合も(100冊は少ないかもしれないが)目的は同じだった。

しかし実際には知識のためだけに100冊というのは難しく、楽しむために小説や、気楽なエッセイなども読みたくなる。冊数を気にするあまり読みやすい本を選んでしまうのだ。でもそれでいいと思っている。そうじゃないと続かないし飽きる。普通の自分にはこうしてバランスを取ることが大事だと思った。無理に100冊読もうと思わず止めてもいいのでは?とも思うが、せっかく始めたこともあるし続けたいし。

こうして当初の目的からややズレて続けている読書だが、脱線することによって思わぬ効用があることに気付いた。それは心に小さな変化が起きるということだ。心に小波(さざなみ)が立つ、または小さな波紋が起きると言えばいいのだろうか。起承転結の幅が小さい文学を読むことで、小波のような小さな心の変化が起き、やがて収まる。短編や詩を読むことによって、心に小さな波紋が広がり、やがて落ち着く。この小さな心の動きによって、内容がじわりと頭の中に浸透していくような感覚がある。これが心の平穏を保つのにとても良いのだ。朝の出勤前や寝る前に本を手に取ることで心を落ち着かせることができる。「さあ会社行くか」「よし寝るか」と自然に思えるのが案外に大きい。忙しかったり嫌なことがあっても大丈夫だと思える。ランニングの気持ち良さを知った時のような感動があった。

100冊という目標で始めたことが、思わぬ体験をすることになった。もうこれからはずっと続けられるだろう。読書は僕の中で、もはや切り離せない大切なことになった。